なかったことにする力~オフセット鎮痛のご発表を聞いて~

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こんにちは、CSOの中江です。

 

今日は最新の話題提供。

私は12月10日、11日にWEB開催された日本疼痛学会のシンポジウムの座長をさせて頂いて、
その中で興味深いなあと思ったご発表について紹介します。

うちの実験課題に被験者として参加された方なら、もしかしたら実感されたかもしれない、
「オフセット鎮痛」という概念があります。

これは高い温度の刺激のあと少しその刺激温度が下がっただけで、健康な人は急に痛みがなくなるの。
うちの痛みの実験系の1つに少しずつ温度が上がって少しずつ温度が下がるというのがあるのだけど、
あれ?1回痛くなくなりつつあるような気がしたのに、また痛くなってきたって感じた方!

あなたは研究者の素質ありますよ!(^^)!

 

(うちの実験室で行っている痛みのデータどりの風景、左手に装着されているのが実験的な熱刺激の痛みを与える装置)

 

そのオフセット鎮痛というのは、慢性痛の患者さんでは観察されにくくなると言われています。
それについてのご研究をなさっている中で見つけられた知見が、

「慢性痛患者さんは痛みの終わりがわからない。」

 

実験的痛みは温度刺激を与えるので、その刺激がなくなれば通常痛くなくなります。

それが、慢性痛の患者さんの中にはその痛い刺激がなくなってもしばらく痛みを感じるという現象がある。
つまり痛みの終わりがわからない。

 

慢性痛の患者さんの脳ではボトムアップで送られる信号に障害がある場合と、
トップダウンで信号を制御していく過程に障害がある場合がある。
オフセット鎮痛はどちらかと言えばトップダウン制御の障害と言われていて、
痛みの終わりがわからないのもそちらの異常ではないかと仰っていた。

 

痛くないはずなのにまだ痛い状態だって脳が感じてしまうって本当に残念なこと。

 

オフセット鎮痛のようにすごくしんどいところを通り越したら、本当はまだ痛い刺激のはずだけど、
もう済んだって思える脳の仕組みって素敵だと思いませんか?

 

オフセット鎮痛のような脳活動は他の不快刺激でもきっと起こっているはず。

人の脳って本来嫌なことが続いていても峠を越せばさっさとなかったことにできる力

「なかったことにする力」を持っている。

それを維持していきたいですね。

 

 

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